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東京大学 大学院情報学環
総合防災情報研究センター 関谷直也
 
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MAIL:naoya [at] iii.u-tokyo.ac.jp

研究テーマ・研究概要

「災害情報と社会心理」に関する研究

災害時のよりよい避難行動・防災行動、よりよい復興対策のために、さまざまな主体がメディア・報道を通じてどのような情報を伝え、どのような活動をとるべきか。これを見出すために、各種の共同研究プロジェクトに参画し、災害時の住民の心理・情報行動、情報伝達における問題点を調査・検討している。

水害、火山、地震時における住民の心理・情報行動・避難行動、行政・報道機関の実態、富士山噴火など想定災害の経済的・社会心理的影響などに関して、多くのインタビュー調査・量的調査・悉皆調査によって共同で研究している。

個人としては、特に、災害報道の逆機能、災害の経済被害、災害文化、富士山噴火という想定災害について社会経済的影響、気象災害における避難行動の心理を明らかにすることを試みている。


「環境問題におけるジャーナリズム/メディアと社会心理」についての研究

環境報道と環境広告に焦点をあて、社会心理史的・社会心理学的視点から研究を行っている。

報道については、戦後の公害・原子力事故に焦点をあて、ジャーナリズムの変質過程とそれを支えた予防原則などの思想や世論潮流・社会心理との関係性について社会心理史的な接近を試みている。

広告については、送り手と受け手についての量的調査、CF・新聞広告の内容分析、ヒアリング調査を行い、研究を深化、精緻化している。社会心理によって、企業の実際の環境対策や広報活動、広告の内容や表現手法が規定されていることを見出している。

これらの個々の研究を通じて「環境問題と社会心理」の関係性、そこにおけるメディア・情報の役割、メディア・情報様式の形成過程を総体的に浮かび上がらせようと試みている。そこから環境問題という具体的な事例を通して、社会問題をめぐる報道、ジャーナリズム、広告のあり方を考えている。


「日本人の安全観」「風評被害」「センセーショナリズム」に関する研究心理」についての研究

日本人が安全・安心をどのように考えているのかについて、原子力事故、狂牛病・鳥インフルエンザ・SARSなどのバイオハザード、食品問題、環境問題、自然災害、また経済問題などを比較し、社会心理学的な共通点・相違点を流言の分析や質的・量的調査から研究している。また「原子力の安全神話」の形成過程の歴史的研究なども行ってきた。「感情的な安全認識」、「報道・社会現象に影響を受ける心理」「安全をめぐる心理の要素」「安全をめぐる根本的な観念」の存在と、それらと「具体的な対象に対する不安・安心の感情」との関係性について、徐々に実証的に明らかにしつつある。これは報道と感情の関係というマスコミュニケーション研究が見落としてきた課題でもある。

この延長線上には、情報過多社会の社会問題である「風評被害」がある。「風評被害」の社会心理的メカニズムおよび解決策についても研究を重ね、報告してきた。

これは、人々の安全に関わる様々な報道の「センセーショナリズム」「報道における『科学』の扱い」、「報道や情報公開に伴う経済的影響」「公害報道、環境報道の抑止力としての風評被害」という現実的問題に社会心理学の観点から接近するものでもある。これら現実的課題に貢献できるよう取り組んでいる。