入学・入室希望者向け教員紹介

研究室公開

 東京大学大学院情報学環総合防災情報研究センター関谷直也研究室では、2018年度より、修士課程、博士課程、ポストドクター、研究員を受け入れています。大学院生の研究テーマは、「研究指導教員の専門分野であり、指導可能である」ということが受け入れの前提となります。下記を必ずお読みになってから、受験前に必ず事前に受け入れ可能か、関谷まで早めに確認をしてください(1年以上前でも結構です)。

 研究室公開(相談日)

  2023年5月29日(月)15:00~20:00

・原則対面で行います。大学の研究室にお越しください。
 (海外、遠方で来れない方はZOOMなどで相談に乗ります)
・個別に相談をします。
・面接までに、『災害情報ー東日本大震災からの教訓』を御一読ください。
・研究テーマ、研究内容をA4半頁から1枚くらいでお書きください(メールでも当日でも)。研究テーマ未定の場合は未定、複数の場合は複数で構いません。
・修士か博士か、博士進学の希望、在職入学か否か、長期履修か否かなどをお聞きします(できればメールの段階ではっきりお書きください。)。
  naoya@iii.u-tokyo.ac.jpまで連絡をください。

関谷の専門分野

 なお、関谷は総合防災情報研究センターに所属している災害情報の研究者です。社会心理学、マスコミュニケーション研究からの然災害・原子力災害など災害研究、防災研究が専門です。十分に理解した上で出願を検討いただければと思います。

・私の研究対象は原子力災害、自然災害、環境汚染、危機管理、リスク研究です。
・専門は社会心理学、パブリック・リレーションズ、メディア研究、コミュニケーション論になります。
・広い意味で、実証的手法を用いる社会科学系の災害研究であれば構いません。
・大学での専攻、専門は問いませんが、私が研究指導できることが前提です(私も学部での専門はマーケティングになります)。
・私の専門に近いほどより適切な研究指導が可能です。私の専門から外れるほど「独学」で勉強していただくことになります。
・専門は、書籍『災害情報』、下記の研究紹介(JST「researchmap」、紀要「フィールドレビュー」、学環「教員紹介」)を参考にして下さい。



『災害情報ー東日本大震災からの教訓』(東京大学出版会)

東京大学出版会『災害情報ー東日本大震災からの教訓』のサイト、

リサーチマップ(JST科学技術振興機構researchmap)

つながるコンテンツ 智のフィールドを拓く  3.11に学び、原子力防災の知見を積み重ねる

フィールドレビュー(情報学環紀要 情報学研究,No.95(October 2018))

東京電力福島第一原子力発電所事故後の原子力災害・放射線災害の研究

 

研究室紹介文(情報学環・学際情報学府「教員紹介」からの抜粋)

 地震、水害、土砂災害、原子力事故などの災害研究は、事象(Hazard)の主因を物理現象として解明しようとする理学的なアプローチ、いかに防ぐかという工学的アプローチが一般的です。しかし、本来、私たちが本当に困るのは、その事象が発生した後に人間、社会がうける被害や混乱としての災害(Disaster)です。人が亡くなったり、何を信じればよいかわからない状態になったり、政府・企業などの組織がどう対応すべきかわからなくなったり、大混乱に陥ります。そのような災害後の様々な被害を防ぐことができるのか。災害後の社会的、心理的な混乱とは、何なのか。その要因とは何か。社会現象、集合現象の論理的な解明ができないまま対策をたてても、それは単なる思いつきにすぎず、根本的な解決にはなりません。だからこそ、その災害についての社会現象、心理現象について、社会科学として、正確な理解をすることこそが、解決策につながります。災害発生前の研究課題としては災害に関する知識、防災対策・防災教育、伝達手法などが対象になりますし、災害発生後の研究課題としては避難行動や消費の混乱、災害後の移動現象、復興期の社会現象や心理現象などが対象になります。研究分野としては、法、行政論、財政、社会心理、組織論、パブリック・リレーション、メディア、コミュニケーションなど様々なポイントに着目しつつも、方法論としては歴史的経緯の研究、ヒアリング調査、調査票調査、社会実験、統計的分析など実証研究を基本として行っています。

 私の専門分野は、社会心理学、効果研究・パブリック・リレーションズです。災害時、緊急時のコミュニケーションや社会心理は、日常のコミュニケーションや社会心理の延長線、ないし、それらが崩れたところで起こる問題です。まず、コミュニケーション論、メディア効果研究、社会心理学の理論を学んだ上で、研究を一緒に進められればと思います。

 なお、私は、現在、下記の研究を進めています。ご参考まで。

(1)巨大災害の社会心理と情報伝達の研究―原子力災害に関する社会心理学的研究

 東京電力福島第一原子力事故を対象とし、マクロ的な社会心理学研究として原子力災害時の避難、原子力災害の社会的影響に関する研究を進めている。
・東京電力福島原発事故時の大規模広域避難、行政機能移転の研究
・東京電力福島原発事故後の農産物・海産物の消費・流通、および観光の実証研究
・復興過程の社会現象、心理現象の研究
・原子力事故対応の研究

(2)「避難行動」の社会心理学的研究

 避難実態の研究、避難要因の基礎的研究をミクロ的な社会心理学研究として調査研究を進めている。
・避難の意思決定に関する研究
・津波、水害、土砂災害時の避難に関する調査研究
・首都直下地震における火災避難の研究

(3)次世代災害情報の研究

 応用研究として、学外の諸機関とユーザビリティを前提とした次世代災害情報の研究開発を行っている。
・災害時など緊急時におけるデジタルサイネージを用いた情報配信技術の研究
・災害時など緊急時におけるデジタルサイネージ等における情報配信コンテンツの開発
・センサーネットワークの災害時の活用に関する研究

(4)災害情報の広報(アウトリーチ)に関する研究

 応用研究として、「災害情報に関するリスク・コミュニケーション研究」である。これまで広告・パブリックリレーションズ研究を基礎に、人間の心理を軸とした科学の理解に対する研究を行っている。
・一般的な広報・PRの研究
・地震動予測地図の研究
・火山情報、防災気象情報の研究
・災害情報に関する高度職業人養成に向けた災害・防災教育プログラムの開発
・地震・火山情報、防災気象情報などハザードに関連する科学的な知見の理解に関する研究

 

総合防災情報研究センターで研究するには?

私の研究室では、基本的に原子力災害か自然災害に関連して、「災害と情報」、「災害とメディア」、「危機管理と情報」、「災害と社会心理」に関心を持つ学生・研究生・研究員を受け入れます。

教育部研究生で勉強したい

東京大学大学院情報学環には「東京大学新聞研究所・教育部研究生」「社会情報研究所・教育部研究生」の流れを汲む、2年間の「教育部研究生」課程があります。講義もあります。ここでは、関谷は「概論(社会情報学分野)」「メディア・ジャーナリズム研究指導」という福島へのフィールドワークを実施しています。

大学(学部)で研究したい

東京大学大学院情報学環・学際情報学府は、大学院大学です。現在のところ、学部レベルでの受け入れはしておりません。
なお、学内・学外を問わず、個別に相談にはお乗りします。留学生の方は、半期に1回、研究生として受け入れています。

大学院(修士課程)で研究したい

夏と冬に修士課程入試があります。夏は書類審査、専門科目、TOEFLと面接です(現在、コロナ対応として、専門科目は事前提出の小論文に変更されています。社会人特別入試もあります。冬は卒論(もしくは代わるもの)、TOEFLと面接です
関谷の研究室を受けるには、テーマ的に事前に受け入れ可能か、必ず関谷まで確認の上、大学院学際情報学府・社会情報学コースを志望してください。

大学院(博士課程)で研究したい

2月に博士課程入試があります。書類審査、TOEFLと修士論文(もしくはそれに代わるもの)、面接です。
関谷の研究室を受けるには、大学院学際情報学府・社会情報学コースを志望してください。
なお、①学際情報学の修士課程を経ていない場合、②修士の専門が社会情報学・社会心理学分野ではない場合、③修士の研究テーマと博士の研究テーマが異なる場合などは、修士号をすでに取得していたとしても、原則、修士課程を受験してください。

大学院を卒業してから研究したい

学振PDなど受け入れています。詳細はご連絡ください。

企業・法人として共同研究をしたい

東京大学として「寄付講座」「共同研究員」などの制度があります。詳細はご連絡ください。

研究を委託したい

「委託研究」という制度があります。詳細はご連絡ください。